1st Vnの出口です。
環境問題が取り上げられるようになってからエコドライブという言葉をよく聞くようになりました。先日、高速道路でエコドライブを心がけて運転していたら「演奏のヒントになるんじゃないか?」と突然思いつき、筆を執ることにしました。
エコドライブと言ってもいろいろありますが、ここでは定速走行について考えたいと思います。
車が走行時には、路面からの摩擦や風などの抵抗により常に減速力が働いています。こうした抵抗によるマイナスを打ち消すために、加速時だけではなく定速走行、時には減速時でさえも多少はアクセルを踏んでいなくてはいけません。逆に考えると、路面状態や風などの抵抗に変化が少なければ、「一定量のアクセルを踏んだ状態を維持」すれば定速走行が可能となります。
定速走行を行っているときは、車の動きはもちろんですが、運転手の精神状態も非常に安定しています。常にアクセルを踏んだり離したりを繰り返してスピード調整をしている人と一定量のアクセルで定速走行している人を比較すると、前者は忙しく余裕がない印象を受けないでしょうか?
その瞬間の速度をいつも気にしながらアクセルの踏む量を何度も何度も調整している姿は、後者から見ると「そんなに一生懸命コントロールしなくてもいいのに(笑)」と滑稽にすら映ります。
しかし、これに似た現象は楽器の演奏でもよく見られると思いませんか?
弦楽器で例を挙げると、ボーイング中に加速しているかと思ったら弓が足りなくなってすぐに減速しようとアタフタしている人をよく見かけます。
車で例えると「急発進して前の車にぶつかりそうになったので急ブレーキをかけている」状態です。危なっかしいですね。。。
ボーイングであっても定速運動が基本です。
初速さえ与えてやれば、あとは弦と弓の抵抗によるマイナスを補うだけの「アクセル」を与えてやればそれでいいのです。もちろん加速させるためではなく、維持するためのアクセルです。
このような状態の時は効率的に音を出せており、結果的に弓の使う量も必要最小限で済みます。まさに「エコな演奏」といえるのではないでしょうか?
また、車の例を見ると実感できると思いますが、演奏者の余裕度にどれだけの差があるかは一目瞭然ですね。精神的にもクリーンなので一石二鳥です(^^)v
弦楽器の経験しかないため詳しいことはわかりませんが、同様のことが管楽器にも当てはまるのではないでしょうか?
「エコな演奏」を行い、余裕を持った演奏を目指しませんか?